2021年の夏アニメの、個人的なオススメ・期待値ランキングです。
対象は13タイトル。
今のところ突出して高い評価があるものは少なく、全体的には大人しめ。
平均点は取れているけど……というような感想が多くを占めています。
ただ2期目の続編作品については安心して見られる内容のタイトルが多い印象です。
大体3話目くらいまでの内容を加味したものになりますが、一部あらすじなど程度のネタバレが含まれる可能性があるのでご注意ください。
『2021年夏アニメ』オススメ・期待値ランキング
オススメ度・期待値★★★★
『かげきしょうじょ!!』
基本データ
原作:斉木久美子
監督:米田和弘
シリーズ構成:森下直
キャラクターデザイン:岸田隆宏
出演:千本木彩花
花守ゆみり
感想評価
舞台に情熱を注ぐ少女たちの物語。
導入となる一話は独特かつインパクトが強く、ジワジワと視野が広がっていく展開で続きが気になる。
アクが強いキャラを受け止められるなら十分以上に楽しめるでしょう。
とくに主要人物となる「さらさ」がひたすら性格が個性的で、視聴者を一話からしっかりとふるいにかけられます。
好みで視聴を決めるとしたら一話目を観れば良いと思います。三話目の内容は少し重め。
『うらみちお兄さん』
基本データ
原作:久世岳
監督:長山延好
シリーズ構成:待田堂子
キャラクターデザイン:髙橋瑞紀
柴田裕介
出演:神谷浩史
宮野真守
水樹奈々
感想評価
教育番組で活躍するお兄さんが心配になるアニメ。
強い。1話目から手放しでおもしろかった。
社会人のブラックジョークのような笑いの取り方なので、視聴者の年齢層は少し高めか?
その作風のせいかノリについていけなかったり、慣れから急に冷めたりしてしまうと評価が一気に逆転してしまいそう。
それだけは懸念点だがブラックコメディとしてはクオリティが高く、中盤の更なる笑いに期待したい。
『小林さんちのメイドラゴンS』
基本データ
原作:クール教信者
監督:石原立也
シリーズ監督:武本康弘
シリーズ構成:山田由香
キャラクターデザイン:門脇未来
総作画監督:丸木宣明
感想評価
ドラゴンと人間、その他諸々がワイワイガヤガヤするアニメの2期作品。
今回もOPのクオリティは一期にひけを取らず高い。
バトル要素もないこともないが、やはり異種族が共存する日常風景が魅力的。
安定したおもしろさで話が進んでおり、期待というより安心感をもって観ていられる。
欲を言えば特別印象に残る強い回を容易できるかだが、わりとすんなり叶えてくれそう。
『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』
基本データ
監督:井上圭介
シリーズ構成:清水 恵
キャラクターデザイン:大島美和
出演:内田真礼
蒼井翔太
感想評価
悪役令嬢ものの傑作ラブ(?)コメディの2期作品。
主人公カタリナのエッジの利き過ぎたアホっぷりは今作も健在。
カタリナの「たらし」ムーブが強すぎるため、ある意味主人公による無双ものにも見える。
強みはそのままに、序盤から新しい魅せ方をしてくれているため期待感は割と高い。
2期作品ということもあり今後も安定して観れると思います。
『迷宮ブラックカンパニー』
基本データ
原作:安村洋平
監督:湊未來
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン:澤入祐樹
出演:小西克幸
久野美咲
下野紘
感想評価
働かないために入念に準備をして、ようやくニート生活を満喫しようとした主人公に降りかかる、不幸な異世界転移。
この設定の導入シーンで同情票が集められそう。
主人公は天才かはわからないが、良くも悪くも努力家な部分は好感がもてる、かもしれない。
異世界迷宮とブラック企業要素を混ぜ合わせ、視聴者に黒い笑いをもたらす。
ネタ的には息切れはなさそうだが、まとめ方には気を付けてほしい。
内容の向き不向きは一話目で判断していいと思う。
『ゲッターロボアーク』
基本データ
原作:永井豪
石川賢
監督:川越淳
シリーズ構成/脚本:早川正
キャラクターデザイン:本橋秀之
出演:内田雄馬
向野存麿
寸石和弘
感想評価
古き良さを感じさせるロボットアニメ。
長期タイトルながら獰猛な笑顔を見せる独特なキャラクターとロボットに、まだまだ根強いファンが多く存在する。
ストーリーは今までの「ゲッター」を知らないと分かりづらいところはある。
知らない人でもこれを機にマンガ、アニメ、ゲームへ展開できるだけの地力が「ゲッター」にはあるため、興味を少しでも持てたらソチラも。
前知識がわりと大事になるため、期待値は少し低めに設定。
『白い砂のアクアトープ』
基本データ
原作:projectティンガーラ
監督:篠原俊哉
キャラクター原案:U35
シリーズ構成:柿原優子
キャラクターデザイン/総作画監督:秋山有希
出演:伊藤美来
逢田梨香子
感想評価
沖縄の水族館を舞台に、少女たちの夢と現実が描かれる。
見た目通りのさわやかで可愛らしい雰囲気が序盤からしっかりと浸透してくる。
1話目はキャラクターの根っこの特徴をしっかり捉えられる導入。
2話目の内容は社会人視点からすると「イラッ」とくるところはありつつ、今後の展開のタメとしてはアリ。今後の方針を固める大きな岐路となった。
今のところは綺麗な絵と雰囲気に引っ張られる(とくにOP,EDの雰囲気は良すぎる)ので、絵からくる雰囲気通りの順当な期待値で進行している。
評価としては可もなく不可もなくで終わりそうだが、個人的には終盤のまとめ方に注意してほしいところ。
オススメ度・期待値★★★
『ぼくたちのリメイク』
基本データ
原作:木緒なち
キャラクター原案:えれっと
監督:小林智樹
シリーズ構成:木緒なち
キャラクターデザイン:川村幸祐
出演:伊藤昌弘
古賀葵
愛美
東山奈央
石谷春貴
感想評価
夢を挫折した青年が10年前に戻ってクリエイターの道を再び歩む。
挫折とリスタートの一話から入るのだが、この時点で好みが分かれる。
人によっては展開の切り替えに不安を感じたり、女の子のあざとい演出にイラッとする。
気にならない人が感じるおもしろさはキャラデザ周辺になるだろうか。
演出は少し違うが、手放しにおもしろいと言えるスタートでないのは原作通り。
「チート能力をもって人生やりなおしました」というものではなく、「10年の経験を糧にしつつクリエイターとしてコツコツ人生を歩み直す」というものなので爽快感としてはまだ大人しめ。
ココから少しずつ馴染むような熱さを感じられるかは少し不安が残る。
単純に「絵」だけで見ると非常に期待感がもてるのだが、それにシナリオがどれだけついてくるかが鍵となるか。
作品の方針がハッキリし、熱さの片鱗が見られる3話まではぜひ観てほしい。
『ピーチボーイリバーサイド』
基本データ
原作:クール教信者
ヨハネ
監督:上田繁
シリーズ構成:大知慶一郎
キャラクターデザイン:栗田聡美
加藤真人
出演:白石晴香
東山奈央
感想評価
桃太郎を新解釈(?)したダークファンタジー。
異種族間の関係に対する葛藤がメインなのだが、胸を揺らしたり妙に官能的な仕草を強調するなど、色気のある主張が激しい。
そんなところで勝負しなくてもシナリオのパワーは十分にあるので、裏目に出ないか心配になる。
エピソードが時系列バラバラに構成されている点も、視聴者がどう捉えられるのか不安が残るところ。オンエアとは別の「時系列版」もあるようなので、初見者は動画サイトの方が良いかもしれない。
今のところはまだ見られるのが、終盤には「もったいない」と評してしまいそうな雰囲気になりかけているので、予想を裏切ってほしい。
『月が導く異世界道中』
基本データ
原作:あずみ圭
原作イラスト:マツモトミツアキ
監督:石平信司
シリーズ構成/脚本:猪原健太
キャラクターデザイン:鈴木幸江
出演:花江夏樹
佐倉綾音
鬼頭明里
感想評価
「小説家になろう」発の異世界転移ファンタジー。
普通におもしろいのだが、題材的にやはり使い古された感が強い。
近年多い「なろうアニメ」で、今のところはそれ以上でも以下でもない無難な評価しかできない。
この心理的なハードルを超えるには相当パワーが必要。
「そこそこ観れるアニメだったな」という未来が見えるが、そんな諦めに近い期待を裏切ってくれるのだろうか。
『死神坊ちゃんと黒メイド』
基本データ
原作:イノウエ
監督:山川吉樹
シリーズ構成:白根秀樹
キャラクターデザイン:桑波田満
出演:花江夏樹
真野あゆみ
感想評価
触れた者に死をもたらす主人公と、それに使えるメイドが織り成すラブコメディ。
スタートダッシュとなる第一話でしっかりと設定を馴染ませてくれる。
主人公の悲しい設定や、ヒロインによる逆セクハラ演出は1話から多いので、そこで作品の色が図れる。
今のところは盛り上がる兆しは薄いため、期待値としては高くない。
設定は魅力的なので、それを活かした秀逸なエピソードが用意されていれば十分に追い上げは可能。
オススメ度・期待値★★
『探偵はもう死んでいる。』
基本データ
原作:二語十
監督:栗原学
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクター原案:うみぼうず
キャラクターデザイン:伊藤陽祐
出演:長井新
宮下早紀
感想評価
探偵によるミステリのような、異能バトルのような、現状判断に困るアニメ。
視聴前の期待感は大きかったのだが、第一話から少々肩透かしを感じた。
矛盾点、不自然に感じるところがちょくちょくある。
展開をそのまま飲み込めむことが難しく、すべての視聴者がついていくのは結構大変ではないだろうか。
作画の力の入れ具合から期待値はまったくない訳ではないが、ストーリーを主体として見るならば序盤の掴みは弱い。
媚びているように見える演出も多く、盛り上がりも弱いため、はさまれるギャグも一層寒く感じてしまう。
とくに一話の読み味としては「ミステリもの」ではなく「異能バトル」「キャラが可愛い」といった見映え中心の印象が残った。
現状では視聴者との認識のかい離が大きいため、随所で感じる地力を発揮して中盤・終盤で盛り上げてほしい。
『出会って5秒でバトル』
基本データ
原作:はらわたさいぞう
総監督:内藤明吾
監督:新井宣圭
シリーズ構成:待田堂子
キャラクターデザイン:永作友克
山門郁夫
出演:村瀬歩
愛美
感想評価
突然異能力を与えられた人間たちが繰り広げるデスゲーム。
卓越した頭脳をもつ主人公「白柳啓(しろやなぎあきら)」は与えられた能力を活かし、苛烈な戦いを生き抜いていく。
……というものだが、如何せんバトルに迫力もなくテンポも悪い。
主人公の行動にあまり思慮深いものに思えず、イキリが強く見えてしまう。
頭脳キャラのはずなのに行動に無茶が目立ち、疑問符を浮かべてしまう演出が目立つ。
つかみとなるはずの1話は特にその傾向が顕著だった。
作品の性質上、ここから後半にかけての挽回はかなりの労力を要する。
期待値としては低く評価してしまったが、「異能力バトル」としては結構ユニークな作りになっているので、そういったジャンルが好きな人には一定の評価が得られるかもしれない。
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