今回は『辻村美月』先生の「スロウハイツの神様」を紹介していきます。
文庫本上下セットなので少しだけ長めの作品ですが、キャラクターの個性がしっかりしていて、内容が入りやすい作品なので読みやすい作品だと思います。
個人的にオススメできるのは、こんな方たち。
・少しだけ長めの話を読みたい方(文庫上下巻くらい)
・10~30歳くらいの方
・クリエイター気質の方
・細かく複線が張られている物語を読みたい方
・特徴的なキャラクターを読みたい方
(個人的なオススメなので、もちろん上記に当てはまらない方でも楽しめると思います)
あらすじ「スロウハイツに集まるクリエイター達の物語」
クリエイターやそれにまつわる者たちが集められた「スロウハイツ」。
人気作家「チヨダ・コーキ」や脚本家「赤羽環」をはじめとした個性豊かな人物たちが暮らすこのアパートで、新たな入居者や一通の郵便が届いたことにより、少しずつ物語が動き始める。
感想「上巻を抵抗なく読めれば、下巻からは止まらない作品」
上巻でしっかりとキャラクターや世界観をつかませ、下巻で細かく張られている複線を回収する流れが見事で、後半を読むときには上巻を傍らに置いておくといいかもしれません。
考察できる点はありますが難解な内容ではなく、個性がしっかりしているキャラクターが先に立ったうえで話が語られるので、抵抗なく内容が頭に入っていきます。
また主だったキャラクターたちは「クリエイター」なので、何かしら「創作」に手を出したことのある方なら、その葛藤や苦しみに共感しやすいものがあるでしょう。
目立つキャラだけではなく、目立たないキャラもちゃんと「気になる」ように仕上がっている点も、この物語の魅力ではないでしょうか。
こんな方にオススメ
感想を踏まえて改めてこんな方にオススメです。
少し長めの話を読みたい方(文庫上下巻くらい)
文庫本2冊ほどの文少量なので、小説を読み慣れていないと少し長く感じて、躊躇してしまうかも。
普段は文庫1冊がメインだけど、少しだけ長めの小説を冒険したい方に。
10~30歳くらいの方
主だったキャラクターが若手クリエイターなので物語に入り込みやすいと思います。
クリエイター気質の方
上記と同様、主だったキャラクターがクリエイターなので。
細かく複線が張られている物語を読みたい方
難解な複線というよりも、読んでいて「少しだけ不自然に感じたけど、気にするほどではないもの」がスルスルとほどけていくような感覚です。
特徴的なキャラクターを読みたい方
魅力のあるキャラクターが揃っているので。
それぞれが持っている才能や境遇が、しっかりと物語に絡んでいます。
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