『惑星のさみだれ』のあらすじ感想評価|邪道の皮を被った王道漫画

惑星のさみだれ オススメ紹介

今回は水上悟志先生のマンガ「惑星のさみだれ」を紹介。

ネタバレなしで作品のあらすじ、感想、どんな人にオススメなのかをまとめていきます。

オススメ度★★★こんなキーワードが気になる方にオススメ・王道・邪道・特殊能力・才能・努力・燃え・泣き

「惑星(ほし)のさみだれ」の基本データ

作品名:惑星(ほし)のさみだれ

著者:水上悟志

出版社:少年画報社

あらすじ「平凡眼鏡がボーイミーツガールして地球を救う……のか?」

主人公はメガネ大学生「雨宮夕日」。容姿・能力ともにごくごく平凡で、大学生らしい普通の生活をしていた。

そんな彼の前に突然、喋るトカゲが現れ「地球の危機」を告げられる。

喋るトカゲを皮切りに敵、お姫様なお隣さん、味方(?)っぽい大学生など次々に非日常的な能力者が現れ、戸惑いつつも夕日はある覚悟をするのだった。

果たして、夕日は地球を救うのか!?

感想・評価

キャラクター★★★

各キャラクターに能力が与えられるが、味方も敵もユニーク。
能力の使い方に関する発想は面白く、キャラクターの掘り下げも十分で、味方のキャラクターの内面の魅力は十分に伝わってくる。
ただ能力の工夫に感心するも絵面が地味だったり、敵キャラに魅力が少なかったりと、所々に勿体無いところが目立ち作画が時々崩れる点もマイナス。
魅力的な味方キャラクターが何人も存在するのに、敵側が少々淡泊な印象が残った。

ストーリー★★★

最初はキャラクターの個性が独特で「邪道マンガ」として読んでいたが、読み終えると「王道マンガ」という評価にひっくり返る珍しいマンガ。
「各キャラクターが異能力を与えられ、地球の敵と戦う」
このようにざっくり内容を書くとまさしく王道マンガだが、それぞれのキャラクターの性格の掘り下げやドラマ展開が静かに語られ、確かな期待感を持たせられる感覚があまり「王道」っぽくない。
絵面に派手さこそ少ないが、設定の魅力で読後の達成感が読者としっかりと共有できている。
間違いなく面白い作品だが「見た目が地味」というのが先に立ってしまい、少々勿体ないと感じてしまった。

設定★★★★★

現代日本を舞台としながら、独創的な世界観をもち淡々と衝撃的な事実を知らされる。
各キャラクターの設定は上で述べたように魅力的で、独創的な世界観でその魅力を違和感なく伝えられる。
能力バトルものに定番のパワーアップや「燃え」や「泣き」要素も揃っており、王道マンガとしては隙がない。

総評★★★ 「もったいない王道異能力バトル」

非常にもったいないと思ってしまった作品。
設定は魅力的なのに、「場面の見せ方」と「敵キャラクターの魅力の無さ」が足を引っ張った。
個人的には好きな作品だが、どんな人にもオススメできるかというと少し躊躇してしまう。
少年漫画展開が苦手ではない気の知れた相手には遠慮なく薦められる(ジャンルとしては青年マンガだが)。

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