今回は伝説の生物「ドラゴン」について書いていきます。
ドラゴンは「西洋の伝説上の生き物」
主にヨーロッパにおいて伝承や神話に登場する「伝説上の生き物」として知られています。
爬虫類のような体は鱗に覆われており、口からは火炎や毒を吐いたりと、私たちの持っているドラゴンのイメージのままですね。
ただ翼の有無や体の色など、伝承によって特徴がマチマチな点もあり、伝承らしく時代の変化によっていろいろと属性が追加されたようです。
語源は「ドラコーン」というギリシア語から。
想像上の生き物ですが、昔は実在する生き物とされていたそうです。
文化による扱いの違い
逸話が多すぎて全部紹介するのは無理なので、簡単に。
キリスト教
「悪」の象徴、邪悪な生き物といったイメージが強いようです。
七つの大罪の「憤怒」を象徴する動物としても扱われます。
スイス
「シャヴォンヌ湖の白い竜」という伝承があり、怪物ではなくシャヴォンヌ湖の主として書かれています。
近隣の村娘たちから餌をもらったり、愛想よく挨拶をしたりと珍しいイメージが伝えられています。
西欧の英語圏
叙事詩『ベーオウルフ』において、地中の財宝を守るものとして登場します。
黄金の杯を盗まれたことに怒り、国土を火の海にするなど怪物の印象が強い。
スラヴ神話
雌雄が存在して人間同様に外見に違いがあるようです。
またメスは「人類を憎み、天候を荒らし作物を枯らす」のに対し、オスは「人々を愛し、作物を守る」存在だとか。
それぞれ、ブルガリアのドラゴンの神格に使われる「水」と「火」の特質を表すそうです。
ウロボロス
有名な名前ですね。一匹が輪になって自分を食べる蛇です(二匹のケースもあり)。
紀元前1600年頃の古代エジプト文明で原型が作られ、後に古代ギリシアに伝わり「ウロボロス」という名前が付けられました。
永遠の象徴として語られ、数学の「∞(無限大)」もウロボロスを表しているそうです。
「龍」との違い
旧字体で「龍」。略字で「竜」と書きます。日本でも人名で使われたりしますね。
中国において神獣や霊獣として扱われ、日本に伝来したは元々あった神話などと融合し、今のような扱いになったとか。
西洋の「ドラゴン」との違いは、自然に対する考え方が強く影響しています。
西洋のドラゴンは「邪悪」や「暴力」的な存在をメインに扱われますが、日本や中国ではポジティブというか神秘的な存在です。
台風や水害などの自然の脅威に対し、日本では食べ物や生贄を捧げたり、祈りを捧げたりします。神秘的というか、そのまま「神」として民間信仰の対象でした。
「逆鱗に触れる」なんて言葉があるように自然の暴力が起きるきっかけに、「自分たちの信仰が足りないから」という考えがあったのでしょう。
ドラゴンも龍も「強大な力」を持つ存在としては同じですが、その認識のされ方には若干ズレがあるかもしれません。
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