アニメ『白い砂のアクアトープ』
今回はアニメ『白い砂のアクアトープ』を紹介。あらすじ、個人的な見どころ、評価をまとめました。
(核心部分を触らない程度のネタバレを含みます)
最初から通して雰囲気が良い作品ではあるのですが、物語のストレスのカタルシスが釣り合わず、個人評価は低めに設定させて頂きました。
職場風景のストレスが多いため、オススメするとしたら「心の広い方」や「社会人経験の浅い方」が良いかもしれません。
評価★★
キャラクター ★★
ストーリー ★
雰囲気 ★★★★
作品キーワード
- 水族館
- 動物
- 夢
- 女の子
- 青春
- 仕事・職業
- ファンタジー
『白い砂のアクアトープ』の基本データ
タイトル:『白い砂のアクアトープ』
原作:projectティンガーラ
監督:篠原俊哉
キャラクター原案:U35
シリーズ構成:柿原優子
キャラクターデザイン / 総作画監督:秋山有希
出演:伊藤美来
逢田梨香子
和氣あず未
Lynn
土屋神葉
阿座上洋平
石川由依
小松未可子
家中宏
放送:2021年
話数:24話
関連オススメタイトル
「夢」を追いかける「女の子」からこの作品をチョイス。
序盤から期待感を煽られ、終盤にはしっかりとそれに応えてくれる感動が待っています。
オススメ。
キーワード「水族館」からチョイス。
ゆったりとした映像と音声で、水族館の中を楽しめる作品です。こちらもオススメ。
あらすじ「引退したアイドルが引き寄せられたのは閉館予定の水族館」
アイドルグループを脱退し故郷へ帰ろうとしていた「宮沢風花」は、勢いのままに沖縄への飛行機に乗ってしまう。逃避行の末にいき着いた水族館で不思議な体験をしたことをきっかけに、館長代理を務めていた女子高生「海咲野くくる」に「ここで働かせてほしい」と頼み込む風花。しかしこの「がまがま水族館」は老朽化により閉館が予定されていた。水族館を閉館させたくない彼女たちは、営業を続けられるようにさまざまな人に働きかけ奔走していく。
ココが見どころ
ビジュアル面は良好
ビジュアル面は最初から最後まで目立った崩れはなく、良好なレベルで安定していました。キャラクターの見た目も良いですが、生き物や海などが丁寧に描かれているので作品の空気が統一されているのは非常にGOOD。
キャラクターに魅力を感じない
キャラクターのデザインは良好ですが、「くくる」をはじめ内面に魅力がありません。悪くないキャラもいますが、あくまで「他のキャラよりはマシ」程度の印象に落ち着きます。水族館存続のために奔走する「くくる」を応援する気持ちになれれば良いのですが、先走り過ぎの姿勢から進歩しません。
落ち着いた雰囲気を守るためか、周囲の大人の口数も最小限に抑えられていました。結果、感情移入がしづらくふわふわした世界観で、ストーリー展開もお茶を濁したような印象を受けます。
視聴者に与えるストレス。釣り合わないカタルシス
カタルシスが薄いというのがこの作品の一番の欠点だと思います。水族館閉館にあせって失敗するキャラクターや、理不尽なシーンを見ることで視聴者がストレスを抱えることはまだわかります。その先にキャラクターの成長やスカッとするシーンが用意されていることを期待してしまうからです。しかしその期待感にこたえ、ストレスを一掃するカタルシスがまったく感じられません。
とくに後半13話以降はリアルな職場風景を描きたかったのか、ギスギスした人間関係が展開され、メインキャラクター「くくる」も非常に苦しい立場に置かれます。この辺りは水族館勤務ではなくても社会人経験のある方なら共感できるような、職場トラブルやパワハラ表現が多用されます。しかも解決方法は問題の根元のキャラクターが行いを正すことから始まらず、被害者側が相手の気持ちに寄り添うというもの。くくるの上司にあたる人物が顕著ですが、彼に関しては最後まで十分にフォローされず、奥歯に物が挟まったような「嫌な奴」ポジションに納まってしまいました。
ストーリーに大きな破たんはありませんが、褒めるところもあまり無いというのも悲しい。
総評★★「心の広い方は雰囲気を楽しんでご視聴ください」
ビジュアル面はさわやかな印象があるのに、ストレスのかけ方が昭和作品のような作品でした。個人的には「つまらない」という評価になってしまいました。24話と長すぎて読み味が変わらないのも痛いです。
タイトルや絵の綺麗さから期待するものとはかけ離れた人間関係を見せられるので、癒しを求めてみるのは注意しましょう。とくに社会人の方にはオススメしたくありません。心の狭い私の場合は不快に感じるシーンが多く、視聴中断を何度も考えました。しかし「これだけ負荷をかけられているのだから、後半に確かなカタルシスがあるだろう」という勝手な期待を抱き、勝手に絶望するという結果になります。
最終的に★2という評価をさせて頂きましたが、人にオススメするかという観点でいうと★1です。理由としては「面白くない」のではなく「不快」だからですね。画が綺麗なシーンでもストレスで醒めてしまいます。
いろいろ不満を述べてしまいましたがストーリーに大きな破たんはないので、心の広い方や社会人経験の浅い学生の方はある程度楽しめると思います。アニメを見る時でも心のゆとりは大事です。ファンタジー要素は味付け程度の職業アニメとしてご視聴ください。
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