今回紹介する花は『アザミ』。
花言葉は「触れないで」などです。
基本データ
学名
Cirsium japonicum
和名
薊(あざみ)
英名
thistle
科名
キク科
属名
アザミ属
開花時期
5~8月
花言葉
「触れないで」、「独立」、「厳格」、「報復」など
花色
紫、赤、ピンク、白など
花名の由来
アザミの名前は「あざむ」という日本語が由来といわれています。
あまり聞きなれない日本語ですが、「興ざめする」や「呆れかえる」という意味の言葉です。
美しいアザミの姿にひかれた者の手にトゲが刺さり、「興ざめする」といった様子からついた名前です。
「トゲ」を意味する沖縄方言の「アザ」から転じて名づけられたという説もあります。
神話における「アザミ」の物語
ギリシア神話にアザミに関するエピソードが存在します。
物語の核となる人物は羊飼いの『ダプニス』という美少年です。
ダプニスは伝令の神『ヘルメス』と妖精の間に生まれた子で、多くの神や妖精に愛されていました。
しかし彼にはひどく傲慢な性格ゆえに、人を愛することが出来ませんでした。
その傲慢さがのちに、悲しい結末を招きます。
ダプニスを心配した愛と美の女神『アフロディーテ』は、彼に愛を教えるために妖精の娘『エケナイス』を遣わします。
一度はエケナイスを愛したダプニスですが、それも長くは続かず、エケナイスを捨ててしまいます。
アフロディーテはその傲慢な仕打ちを許さず、ダプニスを盲目にしてしまいます。
盲目となったダプニスは悲しみに暮れ、絶望の末に自ら川に身を投げ、命を絶ってしまいます。
ダプニスの死に、神々や妖精、獣や大地までもが悲しみました。
大地はダプニスへの追悼の意を込めて、ある花を咲かせます。
その花こそが『アザミ』です。
ダプニスの傲慢さが招いた結末ではありますが、彼をはじめ様々な者たちの想いがかみ合っていなかった故に起きたエピソードだと思います。
ダプニスの傲慢さも複雑な育てられ方をした末に生まれたものなので、不器用な彼をどうにか救って欲しかったというのが筆者の本音です。
色別のアザミの花言葉
アザミの全般的な花言葉
「触れないで」、「独立」、「厳格」、「報復」、「復讐」など
西洋の花言葉:「独立」、「厳格」、「人格の高潔さ」、「人間嫌い」など
紫
「厳格」、「高貴」、「気品」
赤
「権威」、「報復」、「復讐」
ピンク
「愛の後悔」
白
「自立心」
全体的に人を寄せつけない雰囲気をもった花言葉が揃っています。トゲがついていることも、これらの花言葉の由来の一つでしょう。
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