映画『ANON アノン』
今回は設定が魅力的なSF映画『ANON アノン』を紹介。
あらすじや基本データ、個人的な見どころ、評価をまとめました(あらすじに触る程度のネタバレを含みます)。
映画『ANON アノン』の基本データ
あらすじ
個人の視界や聞こえた音が記録され、すべての人の記憶が監視されるようになった近未来。すべての犯罪がデータによって抑制されるはずの世界に、記憶に残らない人間による殺人事件が発生してしまう。データを思うままに扱う犯行は、データによって善悪を決められる社会ではあまりにも異質。起こるはずのない事件を追う刑事たちは、果たして犯人の元へたどり着くことができるのか。
こんなキーワードが気になる方にオススメ
- SF
- 近未来
- 監視社会
タイトル:『ANON アノン』
原題:『Anon』
監督・脚本:アンドリュー・ニコル
製作:アンドリュー・ニコル
オリバー・ジーモン
ダニエル・バウアー
オダ・シェーファー
製作総指揮:ハワード・カプラン
パトリック・ニュウォール
ダニエル・ベーカーマン
出演:アマンダ・セイフライド
クライヴ・オーウェン
イド・ゴールドバーグ
ジョー・ピングー
制作国:ドイツ
上映時間:100分
公開:2018年
関連オススメタイトル
SF設定からアニメ『攻殻機動隊』をチョイス。視界ジャックの手法なんかも似ていますね。管理された社会風景からは『PSYCHO-PASS』もオススメ。
一人称視点の演出方法から映画『ハードコア』もチョイス。FPSゲームのような画面演出で、かなり斬新な映画です。視界がかなり揺れるので、酔いやすい方はご注意ください。
参考記事
評価★★★
人の”記憶”、ことさら”視界”に主眼を置いたSF映画。SF設定は特別難しくなく、直感でわかりやすかったです。人が得られる情報の多くが視界に頼っているため、プライバシーに関わる情報も目が情報源になりますね。
たとえば政治家の不祥事。どこで誰に会ったのか、お金をいくら渡したのか、関わる書類は残されているのか。何より不祥事の現場が映像として残されているのが、証拠として強すぎますね。浮気現場なんかも調べられば一発です。
犯罪の抑止力としては間違いなく魅力的ですが、プライバシーを他人に監視されるのはかなり怖いですね。それを率先して表現するキャラクターが劇中にはいませんが、視点の演出により視聴者には直感で伝わります。想像を掻き立てられる怖さ、という意味ではホラー要素もありますね。感受性の強い人にとっては下手なホラー作品よりも怖いと思います。
SF設定は大変魅力的ですが、反面ストーリーはかなり淡泊です。データ管理された社会表現も浅く、「考えたSF設定を語りたかっただけなのでは?」と思っちゃいました。設定以外に足りないものが多すぎる。
データが残っていなければ何ひとつ証明できない現実。そんなSF設定に惹かれる方ならオススメの作品です。
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