今回は東野圭吾先生の小説『秘密』について、あらすじや感想、最終的にどんな方にオススメなのかをまとめていきたいと思います。
ジャンルとしては「ミステリ」になるんでしょうか。
あらすじ
妻と娘を乗せたバスが崖から転落したことをテレビで知る主人公。
病院に駆け付けた主人公は意識が戻らない娘の姿と、愛する妻の最後の姿に悲嘆に暮れる。
涙が乾く間もなく目を覚ました娘に駆けよるが、娘には失ったはずの妻が宿っていた。
感想
序盤から想像力を掻き立てられる文章で、主人公の状況がスルリと頭に入っていく作品。
読み進めていくうちに様々な情報が主人公の頭の中で組み立てられていき、各キャラクターの「視点」が主人公の目線を通して想像させられる。
男女の立場を意識させられる場面が多くあり、私たちが普段意識していないようなところにも細かく気づきを与えてくれます。
主人公の思考が細やかに描写されているので葛藤や苦しみに共感しやすく、故に出した彼の結論が一際感動的でした。
あと2文字の短いタイトルですが、秀逸な名づけですね。
こんな方にオススメ
年齢層・性別問わず万人へ
基本的には性別や年齢層問わず、どんな方でも読みやすい内容だと思います。
様々な境遇をもつキャラクターが登場し、主人公を通してそれぞれの立場が想像できるため、共感しやすい内容になっています。
男女の視点で読み味が変わると思いますので、異性の方と感想を話し合ってみると、また違った楽しみ方ができると思います。
娘を持つ父親へ
万人受けと書きましたが、それでも主人公は妻と娘を持つ身。一番共感を得やすいのは同じ「父親」だと思います。
父親だって泣いてもいいと、思いますよ?
「家族愛」が好きな方へ
家族愛を感じるが故の葛藤が見られる作品。
父親、母親、そして娘。
家族だからこそ受け入れ、拒絶して、そんな繰り返しの先に出された結論とは。
「感動」したい方へ
所どころに箸休めのような力を抜いて読める場面が多くありますが、それも含めて結末の感動へと繋がっていきます。
違和感のない文章でストレスなく読み進められ、終盤の展開が胸にストンと落ちてくれるので、純粋な気持ちで涙できると思います。
それでいて読後には様々な考察が出来るという点も、この物語の凄いところですね。
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