今回の花は『スミレ』。
花言葉は「謙虚」と「誠実」です。
基本データ
学名
Viola mandshurica
和名
菫(スミレ)
英名
Violet
科名
スミレ科
属名
スミレ属
開花時期
3~5月
花言葉
「謙虚」、「誠実」、「小さな幸せ」、「謙虚」、「真実の愛」など
花色
紫、青、白、黄など
花名の由来
スミレの由来は『スミイレ』という言葉が訛ってできたと云われています。
『スミイレ』は『墨入れ』という木材に直線を引く大工道具のことで、これが花の形に似ていたのです。
由来が大工道具というのは意外、というより珍しいですね。
学名の『Viola mandshurica』はラテン語の「紫」と「満州」を組み合わせた言葉です。
満州といっても東アジア北部に自生したことから付いた名前で、原産国は日本です。
英名の『Violet』は紫がかったスミレの色が由来となり名づけられました。。
ギリシア神話におけるスミレ
スミレの花はギリシア神話において、悲しいというか、理不尽なエピソードをもっています。
あるところに美しい容姿をもつ『イア』という娘がいました。
太陽神『アポロン』は『イア』に好意をもち、彼女に求愛しました。
しかし彼女は『アポロン』の好意を受け入れませんでした。彼女は婚約者の青年を深く愛していたのです。
自分の求愛に応じなかった『イア』に、『アポロン』は激怒し、やがて彼女を花の姿に変えてしまいます。
その花こそが『スミレ』です。
神話にまつわるものはたいてい理不尽ですが、今回はアポロンの短絡さが一際目立つエピソードですね。
結末が少し違った説もあり、求愛に困った『イア』が貞操の女神『アルテミス』に助けを求めて解決を試みるという内容です。
この話も最終的に花の姿になってしまいますが、自分から行動を起こしている辺りにいくらか救いを感じます。
これだけ理不尽な仕打ちを受けても、愛情のこもった花言葉を多くもつ花ですね。
ヒナギク(デイジー)にも似たエピソードがありましたね……。過去記事を参考に↓
スミレの西洋、色別の花言葉
スミレ全般
「謙虚」、「誠実」、「小さな幸せ」、「謙虚」、「真実の愛」など
西洋の花言葉:「謙虚」、「誠実」
紫
「貞操」、「愛」
青
「愛情」、「用心深さ」
白
「あどけない恋」、「純潔」
黄
「田園の幸福」、「つつましい喜び」
慎ましい言葉や、愛情を表現するものが多いですね。
容姿が似た花に『ビオラ』や『パンジー』がいます。
どれもスミレ科スミレ属ですが、
・花の形が『スミレ』は少し尖っているが、『ビオラ』や『パンジー』は丸みを帯びている
・花の大きさが『パンジー』≧『ビオラ』
・『ビオラ』の方が『パンジー』より一株に多くの花を咲かせる
といった違いがあります。
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