『2021年夏アニメ』個人的おすすめランキング

2021年夏アニメ個人的おすすめランキング アニメ
2021年夏アニメ個人的おすすめランキング

2021年の夏アニメの個人的な評価によるおすすめランキングです。

突出した評価のタイトルは少ないですが、平均値が高めのシーズンでした(未記載のタイトル順次追加していきます)。

『2021年夏アニメ』おすすめランキング

1位『うらみちお兄さん』

基本データ


原作:久世岳
監督:長山延好
シリーズ構成:待田堂子
キャラクターデザイン:髙橋瑞紀
           柴田裕介
出演:神谷浩史
   宮野真守
   水樹奈々

感想評価

教育番組で活躍するお兄さんが心配になるアニメ。

主人公「うらみちお兄さん」の闇が垣間見えるトークがいちいち面白い。人によっては笑いよりも涙がこみ上げてくるのもポイント。子ども向けの番組制作をしているはずなのに、内容を理解しやすいのは社会に疲れた大人というのも闇の深さを感じさせる。

ネガティブな出来事を豪快に笑い飛ばすようなギャグ作品ではないので、「アハハ……」と乾いた笑いを浮かべながら力を抜いて観てほしい。
社会人向けのブラックジョークで笑いを取るので、オススメできる視聴者の年齢層は少し高めか?

2位『小林さんちのメイドラゴンS』

基本データ

原作:クール教信者
監督:石原立也
シリーズ監督:武本康弘
シリーズ構成:山田由香
キャラクターデザイン:門脇未来
総作画監督:丸木宣明

感想評価

ドラゴンと人間の価値観の違いがゆるやかに馴染む、人気コメディ2期作品。
日常と非日常のバランスがよく作画も安定。クオリティの劣化も見られず、序盤の期待通りの結果を残してくれた。迫力のバトルシーンは力をいれていることはわかるし、日常風景ものどかな雰囲気をファンタジー要素の乗ったツッコミで気持ちよく眺めていられる。小林さんとカンナの散歩風景は大人と子ども。現世と異世界といった2軸の価値観で語られ、ぶつかり合わずに自然と馴染んでいる姿が不自然でおもしろい。
トップはゆずったが好みによるところが大きく、ジャンルから見ると広く受け入れられるのはコチラかもしれない。

3位『かげきしょうじょ!!』

基本データ

原作:斉木久美子
監督:米田和弘
シリーズ構成:森下直
キャラクターデザイン:岸田隆宏
出演:千本木彩花
   花守ゆみり

感想評価

オスカルに憧れる長身少女と元国民的アイドルの出会いから始まる、舞台に情熱を注ぐ少女たちの物語。

それぞれのキャラクターにスポットライトを当てたエピソードは笑いあり感動ありで、好みによってお気に入りのエピソードは変わってくるでしょう。
とくに物語後半ではキャラそれぞれの舞台にかける情熱が濃く描かれており、エピソードの良さも相まって視聴者を「ファン」にしていく。
まさしく舞台に見入る観客のごとく世界観に魅入られ、否応なしに感情移入してしまいます。
ボツ個性となるキャラクターがまったくおらず、個人的に苦手だった「さらさ」も自然と馴染みました。

振り返ってみると「好き」と「応援したい」が同居するアイドルアニメに似た印象を受けた。

4位『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』

基本データ


監督:井上圭介
シリーズ構成:清水 恵
キャラクターデザイン:大島美和
出演:内田真礼
   蒼井翔太

感想評価★★★★

悪役令嬢転生の傑作ラブ(?)コメディの2期作品。

一期で振り切っていた主人公「カタリナ」の人たらしムーブは今回も健在。前作を楽しめた方なら期待を裏切らないクオリティの2期作品でした。事件に巻き込まれたり新キャラクターと交流しながら、新しい環境を構築していく。前作よりも恋愛要素に踏み込んでおり、各キャラクターとの関係性が少し発展しています。

「この作品に恋愛要素いらない」という方もいるかもしれませんが、ストーリーの流れとしては自然に受け入れやすいため個人的には評価したい。今後の展開が気になるまとめ方だったので続編にも期待したいですね。

5位『死神坊ちゃんと黒メイド』

基本データ

原作:イノウエ
監督:山川吉樹
シリーズ構成:白根秀樹
キャラクターデザイン:桑波田満
出演:花江夏樹
   真野あゆみ

感想評価★★★★

触れた者に死をもたらす主人公と、それに仕えるメイドが織り成すラブコメディ。

黒い背景で繰り広げられるピュアで優しい恋物語。「触れた者に死を与える呪い」をかけられた主人公が、一途な想いで付き従う黒メイドとともに呪いを解く方法を探し続ける。

期待値を大きく上回ってくれた夏の優秀作品。「好き合う者同士が触れ合うこともできない」というかなり重い設定だが、テンポの良い掛け合いや、ほんわかするギャグのせいか不思議と読み味は軽い。

黒を基調とした世界観でピュアな気持ちのやり取りがよく映える。

CGのクオリティは高いとは言わないが十分以上。
動く人数が増えると若干不安定になるものの、細かい仕草が可愛らしく作風とよく合っているのも好印象。引き込まれる設定を優しい世界観でおいしく料理してくれたので、最後までストレス無く視聴できます。終盤はマイルドで続きが気になるまとめ方となりました。

続編も決定したようなので、今後の展開にも期待ですね。

6位『月が導く異世界道中』

基本データ

原作:あずみ圭
原作イラスト:マツモトミツアキ
監督:石平信司
シリーズ構成/脚本:猪原健太
キャラクターデザイン:鈴木幸江
出演:花江夏樹
   佐倉綾音
   鬼頭明里

感想評価★★★★

小説家になろう」発の異世界転移ファンタジー。

「小説家になろう」「異世界転移」「ファンタジー」など近年量産された内容のアニメなのだが、低めの期待をしっかりと超えてくれた優秀作品。序盤の予想を上回ってくれた優秀作品その2

たしかに使い古された設定が多いのだが、優秀なキャラデザインで並べても埋もれない個性がある。ヒロインに真っ当な人間がおらず、モンスターの擬人のみなのは、アニメ化作品としてはまだ少ないかも。

平凡に見えた主人公が徐々に影を見せてくるところも静かに期待感を煽ってくれる。この影の在り方や独特な価値観によりただの「イキリ」主人公に見えず、人によっては同情してしまう。

こちらの作品の2期放送も決定しています。

7位『ゲッターロボアーク』

基本データ

原作:永井豪
   石川賢
監督:川越淳
シリーズ構成/脚本:早川正
キャラクターデザイン:本橋秀之
出演:内田雄馬
   向野存麿
   寸石和弘

感想評価★★★★

原作ファンが喜ぶロボットアニメ。2021年夏の「モブに厳しいアニメ」筆頭。

OP・ED・挿入歌がどれも熱く、否応なしにテンションをぶち上げてくる。所々で絵が不安定になるが、熱い演出は心得ているので笑って許してしまう。シリアスな進行でも不意に笑わせてくるような描写が挟まれているのもズルい。

ツッコミどころも「ゲッターだし……」とか「だってゲッターのパイロットだし……」といった説得力満点の言葉で封殺できる。評価に困るのは、前提知識のある「ゲッターファン」でないと十分に楽しむことが難しいところ。

8位『ピーチボーイリバーサイド』

基本データ

原作:クール教信者
   ヨハネ
監督:上田繁
シリーズ構成:大知慶一郎
キャラクターデザイン:栗田聡美
           加藤真人
出演:白石晴香
   東山奈央

感想評価★★★

桃太郎を新解釈(?)したダークファンタジー。

序盤から感じていた期待感通りの大人しい評価にとどまった作品。主人公サリーをメインに色気を主張した動きが多いので、そういった要素を好まれる方には向いています。
しかしストーリーとしての主軸は「異種族間の関係性にサリーがどう向き合っていくのか」という比較的シリアスな内容のため、主張の激しい色気要素は少し鬱陶しかった。
サリー以外にも男女問わず魅力あふれるキャラクターがいるのに、掘り下げきれなかったのも少々痛い。エピソードの時系列をバラバラに構成したところもわかりづらく評価が下がる。時系列順に並べたものは動画サイトで。

もう一人の主人公ともいえるミコトのエピソードは好きですし、設定も魅力的。絵や声などの下地クオリティも比較的安定しているので、素材が揃っているのにもったいないと感じました。

9位『探偵はもう死んでいる。』

基本データ

原作:二語十
監督:栗原学
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクター原案:うみぼうず
キャラクターデザイン:伊藤陽祐
出演:長井新
   宮下早紀

感想評価★★

ミステリのような、異能バトルのような、判断に困った探偵アニメ。
序盤に感じた不安を見事に的中させてくれた作品。ミステリとしても異能力バトルとしても中途半端なため、ジャンルとしての分類も困る。
基本的なストーリーはなんとなく察せられるのだが、事件解決に向かう行動は主人公を中心に説得力皆無。「頭の良さそうな行動」をしている雰囲気があっても、第三者視点だとあまりに稚拙な思考で世界観に馴染めない。そのマヌケな表現の頻度も多く、視聴者は常にツッコミ力を試される。技術力が不足しているわけではなく、チェック作業など丁寧に行うべき工程を、すべて放棄している印象を受けた。
キャラデザには恵まれているのだが、作品としては惜しいと思えるラインにも達せなかったのが残念。

総評

『2021年夏アニメ』おすすめランキング の1位は 『うらみちお兄さん』 とさせて頂きました。

盛り上がりや迫力を魅せやすいバトルジャンルが基本的に評価が上がりやすいですが、『うらみちお兄さん』はコンスタントな魅力で最後まで走ってくれました。成人している視聴者の心に残りやすいシーンが多いところも強かったです。

上から見ていくとバトルものよりも日常やギャグに寄ったものの評価が高く、とくに 死神坊ちゃんと黒メイド』 は最初の期待を大きく上回るクオリティを見せてくれました。2期も決定しているので、今の期待を更に上回ってくれると嬉しいです。

本当はもう少し 『ゲッターロボアーク』 の評価を上げたかったのですが、「ゲッターファン」に向けた要素が強く、初見の方には優しくないと思って控えめな評価になりました。それでもゲッターファンは十分以上に愛を感じる作品で、挿入歌も否応なしにテンションを上げられます。スパロボ参戦も楽しみですね。

2021年夏アニメは突出した評価のものは少ないですが、評価の平均値は結構高い不思議なシーズンとなりました。

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