『LOOP/ループ -時に囚われた男-』
今回はSFサスペンス映画『LOOP/ループ -時に囚われた男-』を紹介。
あらすじ、個人的な見どころ、評価をまとめました。
（核心部分を触らない程度のネタバレを含みます）
評価★★★
キャラクター ★★★
ストーリー ★★★
SF設定 ★★★
アクション ★★★
こんなキーワードが気になる方にオススメ
- SF
- サスペンス
- 時間ループ
映画『LOOP/ループ -時に囚われた男-』の基本データ
タイトル：『LOOP/ループ -時に囚われた男-』
原題：『Hurok』
監督：イシュティ・マダラース
出演：ディーネシュ・サーラズ
ドリナ・マルティノビチ
ジョルト・アンゲル
上映時間：95分
公開：2016年
制作国：ハンガリー
関連オススメタイトル
命がけの時間ループの中で、主人公に選択を迫る作品。
「ループ」ではありませんが、「時間」を大きいテーマとして扱った優秀作品としてチョイス。ストーリーはかなり重めです
あらすじ「閉じ込めらた時間の檻、脱出のカギとなるのは……」
麻薬密売人の「アダム」は恋人「アンナ」とともに組織を抜け出す計画を立てていたが、アンナの妊娠の報せにより計画変更を余儀なくされる。ある日突如姿を消してしまったアンナを追い、走り回るアダムだったが、再会した彼女はアダムの目の前で暴走車両に跳ね飛ばされてしまう。しかしアダムの未来にはさらに衝撃的な現実が待ち受けていた。
ココが見どころ
時間の檻に閉じ込められた不安感見どころ
タイムリープに巻き込まれる状況を急に飲み込むのは当然難しく、主人公として語られるアダムは最初から最後までその戸惑いを上手く表現してくれました。
時間の檻を抜けるために奔走するアダムですが、一人での行動が基本なのでセリフは多くありません。そのため行動理由を知るためには彼に共感する必要がありますが、アダム本人は善人ではなく、自分本位な行動もみせる「人間」らしい人間。自分が助かるために他人を犠牲にする思考をしてしまうところは、「憧れ」といった前向きなものとは違った共感を視聴者にもたらします。
もちろん「時間ループもの」らしく視聴者に考察させるシーンは多く、映像的なおもしろさよりも、視聴者に考えさせて満足感を与える作品です。ヒーローに対する憧れとは違った共感でループする状況を推理していくやり方は少し珍しかった。
総評★★★「「わかる」ような「わからない」ような？」
同じ時間を繰り返す、いわゆる「ループもの」で、時間に閉じ込められた経緯はとくに語られません。特別な装置や組織の陰謀で時間に閉じ込められたということもなく、ストーリーの軸は「いかにして悲劇的な運命を変え、ループを抜け出すか」というものになります。
「ループもの」が好きで、作品の考察が苦にならない方にはオススメの内容でした。ただし、セリフが少なく、行動指針のほとんどは主人公の脳内で完結しています。直感ではわかりづらく、頭の中で状況を整理していかないと腑に落ちない展開も多いため、言葉少なな演出がプラスとなるかマイナスとなるかは視聴者次第。ストーリーの理解度が評価の分かれ目になります。個人的には最後のシーンも含めて消化不良でしたね。それでも時間に閉じ込められた不安感を煽る演出はよく作り込まれているので、一定のクオリティは確保されています。「SF映画」を考察することが好きな方はぜひご覧ください。
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