小説『さよならピアノソナタ』感想評価|心に残り続けるボーイミーツガール

さよならピアノソナタ オススメ紹介

今回は小説『さよならピアノソナタ』を紹介。

あらすじ、個人的な見どころ、評価をまとめました。
(核心部分を触らない程度のネタバレを含みます)

『さよならピアノソナタ』の基本データ

タイトル:『さよならピアノソナタ』
著者:杉井光
イラスト:植田亮
出版社:アスキー・メディアワークス
レーベル:電撃文庫
発行年:2007~2009年

あらすじ「ピアノの旋律に導かれ、少年は少女と出会った」

音楽鑑賞と機械いじりが趣味の男子高校生「桧川直巳(ひかわなおみ」。
廃棄物の山から機械の部品を探していると、どこからかピアノ協奏曲の音色が聞こえてくる。
この音色に導かれるように直巳は天才ピアニスト「蛯沢真冬(えびさわまふゆ)」と出会い……。

オススメ視聴者層

  • 「ボーイミーツガール」好き
  • 「青春小説」好き
  • 「音楽」要素

勝手に関連オススメタイトル

小説「半分の月がのぼる空」

非常にキレイな物語としてオススメの忘れられない一冊。読後感は結構違うかも。

ココが見どころ

清々しいほど「ボーイミーツガール」

「直巳」と「真冬」の出会いから始まる青春恋愛小説。
「ツン」要素のあるヒロインが気持ち多めですが、キツ過ぎずヌル過ぎず。

真冬のわがままな性格が結構目立ちますが、振り返ってみると「可愛らしい」という感想になるちょうど良い塩梅です。
主人公を含めキャラクターの感情の起伏がしっかり描かれており、青春の行動力がとても青々しく眩しかった。

正しく「ボーイミーツガール」を描き切った作品であり、とくに一巻は最初から最後まで綺麗に走り切った。

個性的なキャラクター

ライトノベルらしくキャラクターが非常に「立っている」。

  • 桧川直巳(ひかわなおみ):音楽鑑賞と機械いじりが趣味の男子高校生
  • 蛯沢真冬(えびさわまふゆ):ハーフの天才美少女ピアニスト
  • 相原千晶(あいはらちあき):直巳の幼馴染で柔道経験者
  • 神楽坂響子(かぐらざかきょうこ):革命家を自称する破天荒先輩

内面もまったく違った魅力をもっており、楽器の担当も振られているのでキャラクターがわかり辛くなることは皆無。

おもしろく説明してくれる音楽知識

クラシックやロックなどさまざまな楽曲が登場します。
個人的に印象深いのはビートルズの「ブラックバード」

音楽知識が皆無でもわかりやすく説明してくれるので、あまりストレスにはなりません。
あまり知らない曲に関する知識や、キャラクターならではの解釈とかもおもしろいですね。

評価★★★★★「音楽を軸に描かれる正統派ボーイミーツガール」

非常に綺麗にボーイミーツガールを描き切った作品。
挿絵の雰囲気もピッタリで、定期的に思い出しては繰り返し読んでしまう、魅力に溢れた一冊です。
全5巻で最後の巻は番外編のような短編集になっており、本編だけでも十分なクオリティだったのに、さらなる満足感を与えてくれます。

コミカライズもされており、こちらの絵は「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」の赤坂アカ先生が担当されています。

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