オススメ小説『エクスプローラー』|超能力を駆使した「探しもの」

エクスプローラーIC オススメ紹介

今回は小説『エクスプローラー』 (北山大詩先生、石田あきら先生)を紹介。
あらすじ、感想、どんな方にオススメできるのかをネタバレなし(あらすじを触る程度)でまとめていきます。

オススメ度★★★★
この作品をオススメ出来る方(解説は最後に)
・「王道超能力ストーリー」を読みたい方
・「カッコイイ主人公」の物語が読みたい方
・「若いキャラクター」の物語を読みたい方に

『エクスプローラー』の基本データ

タイトル:エクスプローラー

著者:北山大詩

イラスト:石田あきら

レーベル:富士見ミステリー文庫

発行年:2006年

あらすじ「特殊能力をもった高校生の少し危険な探し物」

一般人とは違った環境で育ち、特殊な能力をもった高校生「霧元透」。
特異なその能力を活かし、非合法探し物サイト「エクスプローラー」の依頼をこなして食い扶持を稼ぐ日々を過ごしていた。
ある日<人類に化けた宇宙人を探しています>という奇妙な依頼を見つけたことを発端に、透は様々な思惑が潜む事件に巻き込まれて

感想・評価「全体的にバランスのとれた優等生」

王道で分かり易い設定で特別にとがった部分が無い分、全体的に綺麗にまとまっている優等生作品。

キャラクターの布陣に隙が無い

各キャラクターも特徴的で分かりやすく、「バトル」に限定しない特殊能力を使った立ち回りに少年心がうずく。
ヒロインも「一つ年上の強気キャラ」「一つ年下の控えめだけどしっかり者」と分かりやすい魅力が詰まっており、可愛らしくも憎たらしい動物マスコットキャラも登場する等味方キャラクター側には不足のない布陣が敷かれている。
反面少し敵やライバルキャラとしては少し物足りなさを感じたが、裏社会のもつ「不穏な空気」を随所で感じられたお蔭か、読書の最中ではあまり気にならなかった。

バランスの取れたカッコイイ主人公

それぞれのキャラクターの個性が光るが、やはり主人公の魅力が物語の評価に大きく貢献している。
主人公「透」は裏社会をメインに立ち回ることが多いが、高校生らしい甘さや感じ方も少なからず残っており、読者が共感できる余裕を残している。
冒頭ではどこか「冷たい」、というより少し「達観」しているような印象を受けるが、物語が進行するにつれて元々あったであろう彼の魅力を他のキャラクターがどんどん引き出していく。
戦闘能力に特化せず、かといって影に徹するわけでもなく物語の中核でありつづけるなど、良い意味でバランスの取れた主人公だった。

裏社会を明るく照らす高校生たち

裏社会の空気が漂っているのに明るい雰囲気でスルスルと読める面白い世界観。
というのも主人公たちが主に高校生として生活しており、そんな彼らが走り回ることでテンポを途切れさせず舞台を照らし続けているからだ。
仲間が増える展開、超能力の活用法、敵からの襲撃など1巻に多くが詰め込んであり、良くも悪くも非常に綺麗にまとまっている。
1巻のまとめ方としてもふんわりとした着地感で、続きが気になりつつも「ここで話が終わり」と言われても納得の終わり方。2巻以降も出て本当に良かった。
それでも1巻で不足と感じしまった部分も2巻以降で補ってくれるので、未読の方はぜひシリーズ通して読んでほしい。

小説『エクスプローラー』はこんな方にオススメ

「王道超能力ストーリー」を読みたい方に

王道超能力「バトル」ではない点に注意。
能力を使って正面から戦うのではなく、能力そのものとどう向き合って生活していくのかが主軸。
と、いいつつも明確に敵が存在するためバトル要素もあります。

「若いキャラクター」の物語を読みたい方に

時系列の関係で多少前後しますが、高校生を中心とした青春時代のキャラクターが中核を担っています。
本来だったらただ暗いだけに見えそうな裏社会の描写も、彼らが走り回ることで明るい世界観で楽しく見ることが出来ます。

「カッコイイ主人公」の物語

やはり主人公が個性が魅力的。

強すぎず弱すぎず、冷たく感じる性格も甘い部分があり、読者に共感できるような立場を取りつつ能力を駆使して懸命に立ち回る姿は一種の「憧れ」を感じさせる。

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