つまらない!『仮面ライダーBLACK SUN』をざっくりレビュー

仮面ライダーBLACKSUN オススメ紹介

『仮面ライダーBLACK SUN』

コンセプトは「原作への原点回帰」

1987年に放送された『仮面ライダーBLACK』のリブート作品『仮面ライダーBLACK SUN』をざっくりレビュー。

感想を交えながら個人的に感じた良い点、悪い点をまとめました。
ネタバレは極力控えますが、あらすじやザックリした特色は記載しておりますので、苦手な方はご注意ください。

2022年10月28日よりAmazon Prime Videoで独占配信。約45分×10話。

『仮面ライダーBLACK SUN』の基本データ

あらすじ(公式ホームページより引用)

創世王–怪人の頂点たる存在。その命が尽きる時、選出された世紀王が力を継承する。
時は2022年。国が人間と怪人の共存を掲げ、半世紀が過ぎた頃。人の姿で暮らす怪人たちは虐げられ、人間との衝突を繰り返す日々の中、両者の溝は深まるばかりであった。
騒乱の時代、調和を夢見る少女は一人の男と出会う。

https://www.kamen-rider-official.com/blacksun/#introduction

タイトル:『仮面ライダーBLACK SUN』
監督:白石和彌
脚本:髙橋泉
音楽:松隈ケンタ
美術監督:今村力
コンセプトビジュアル:樋口真嗣
特撮監督:田口清隆
造型:藤原カクセイ
キャラクターデザイン:小林大祐
スタイリスト:伊賀大介
撮影:馬場元
照明:西村昌幸
整音:浦田和治
録音:三木雄次郎
美術:福澤勝広
スタントコーディネーター:吉田浩之
編集:加藤ひとみ
音響効果:柴崎憲治
VFXスーパーバイザー:福嶋瞬 カルロス
エグゼクティブ・プロデューサー:白倉伸一郎
企画プロデュース:古谷大輔
プロデューサー:長谷川晴彦
        椋樹弘尚
        佐藤雅彦
出演:西島秀俊
   中村倫也
   平澤宏々路
   木村舷碁
   中村梅雀
   吉田羊
   プリティ太田
   三浦貴大
   音尾琢真
   濱田岳
   黒田大輔
   筧美和子
   沖原一生
   ルー大柴
   尾美としのり
   寺田農
   今野浩喜
   川並淳一
   ジュア
   山本浩司
   内田慈
   占部房子
   並木愛枝
   野中隆光
制作国:日本
話数:全10話
公開:2022年

良かった点 & 悪かった点

GOOD

  • 大まかな背景設定
  • 音楽

BAD

  • 人物に共感できない
  • 共感できないから主人公もわからず、没入できない
  • チープな格好の怪人たち
  • まったく盛り上がりのないストーリー
  • 政治風刺など邪魔なノイズが多くて、ストーリーの軸が見えない
  • 脚本のせいか、演技に脂がノッていない
  • 「仮面ライダー」である必要がない

とにかくノイズとなるのが政治色。具体的にどんなものか並べると

  • 人間と怪人を対比した差別問題
  • 暇があれば差し込まれる大声のデモ行進
  • 実在の人物をモデルにしたと思われる悪役政治家
  • 移民問題
  • etc……

耳障りな主張が多く、差し込まれるブラックジョーク(?)もまったく笑えません。懐かしさを感じる昭和の時代描写はありますが、声高なデモ風景をはじめ、気分が良いものがほとんどない点も残念。そういったストレスが終盤のカタルシスにつながれば納得できそうですが……。最後まで作品の軸がぼやけ過ぎて、何を言いたかったのか分からないまま、不快な気分だけが残ってしまいました。

評価★

仮面ライダー生誕50周年の節目にPrimeVideoより独占配信された、TVシリーズとは毛色の違った「仮面ライダー」作品。『アマゾンズ』に少し似ていますね。
繰り返される政治風刺は賛否両論ある……というか圧倒的に否だと思います。

政治色抜きにしても、なにより「面白くない」というのが残念でした。

率直な感想を述べると、音楽は最初カッコいいなと思いました。しかしストーリー進行にしたがって、雰囲気を誤魔化すようにメインテーマを何度も垂れ流すので後半では飽きてきます。使い方の問題。

仮面ライダーといえば特撮アクションですが、戦闘シーンには期待しないように観た方がよいでしょう。強さ・上下関係のわかりづらい各キャラクターダラダラと間延びしたアクションシーンぽかぽか近接格闘。脚本に振り回されているのか、ベテラン役者でさえ白々しく見えてしまう演技。変身ポーズも世界観から浮きまくりでした。

「音楽と雰囲気」でぼかすような感情表現も多用していて、終始作品の軸となるようなものが見当たりませんでした。なんとか視聴を続け最終話にたどり着く頃には、自分でも驚くほど冷めた感情になっていてビックリ。仮面ライダーでこれほど期待値が低い最終回は初めてかもしれません。

風刺設定は何であれ、「子どもたちのヒーロー」としての一面を培ってきた仮面ライダー。50周年の節目となる作品がこれでいいのか。映したかったのは本当に「仮面ライダー」だったのか

どうしても楽しく観たいという方は、可能な限り期待値を低くして観賞しましょう。「みんなが言っているより割と見られるじゃん」となれば儲けもの。決して視聴をオススメはできませんが頑張ってください。

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