映画『愛をよむ人』
今回は映画『愛をよむ人』を紹介。
あらすじや基本データ、個人的な見どころ、評価をまとめました(あらすじに触る程度のネタバレを含みます)。
映画『愛をよむ人』の基本データ
あらすじ
路上で体調を崩してしまった青年「マイケル」は偶然通りかかった年上の女性「ハンナ」に介抱される。その出会いをきっかけに男女の関係となった2人だったが、ある日を境にハンナは忽然と姿を消してしまう。長い時を経て再会する2人、しかし、そこは2人にとってあまりにも残酷な場所だった。
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原作:ベルンハルト・シュリンク『朗読者』
タイトル:『愛を読むひと』
原題:『The Reader』
監督:スティーヴン・ダルドリー
脚本:デヴィッド・ヘア
出演:レイフ・ファインズ
ジャネット・ハイン
デヴィッド・クロス
ケイト・ウィンスレット
スザンヌ・ロタール
アリッサ・ウィルムス
フロリアン・バートロメイ
フリーデリーケ・ベヒト
マティアス・ハービッヒ
ブルーノ・ガンツ
制作国:アメリカ
ドイツ
上映時間:124分
公開:2009年
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評価★★★★
複雑すぎる感情の物語。こんなに感情を表現しづらい映画は初めて観たかも。
ひょんなことから年上の女性と関係をもつ青年の生々しい青さに、あまり好ましくない第一印象をもちました。「色欲に溺れどんどん人間関係の深みへハマっていくのだろうな」と思っていましたが、気づいたらまったく別の顔を覗かせていきます。とくに成長した青年が描かれる後半はまったく別作品のような色をもっています。
最初から最後まで”淡々”としたテンポなのに内容は激重。感情表現がかなり複雑なので、視聴中もどんな表情を浮かべればよいか非常に困りました。複雑な感情表現をみせる演技力、サラサラと変わらないスピードなのに見せられてしまう表現力に脱帽。時間軸が前後するようなシーンでも混乱せずにエンディングへと導かれます。
性描写のおかげで教材としては難しいですが、歴史描写と感情表現にはかなり考えさせられました。学生時代に観たら価値観を変えられたかもしれません。
最後は納得させられたというより納得するしかない。でも納得できない。作品の登場人物と同様に、複雑な読後感を与えられる良作でした。
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