映画『青鬼』
今回は映画『青鬼』を紹介。
あらすじ、個人的な見どころ、評価をまとめました。
(核心部分を触らない程度のネタバレを含みます)
『青鬼』の基本データ
タイトル:『青鬼』
原作ゲーム:noprops
原作小説:黒田研二
監督:小林大介
脚本:小鶴
製作総指揮:吉田尚剛
出演:入山杏奈
須賀健太
陳内将
聖也
古畑星夏
尾関陸
公開:2014年
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おすすめ視聴者・読者層キーワード
- ホラー
- 実写化
- ゲーム原作
参考記事
あらすじ「不気味な洋館へと足を踏み入れた6人。忍び寄る青い影」
ある者は自らの意思で、ある者は半ば強制される形で、化け物が現れるという不気味な洋館へと足を踏み入れた6人の高校生。館の放つ不気味な空気にあてられ脱出を試みるものの、出入り口の扉は固く閉ざされ、一同は段々と不安に飲み込まれていく。やがてバラバラに行動を始める彼らの背後に、青い顔の「鬼」は静かに忍び寄っていた。
ココが見どころ
ビジュアル面を強調したホラー要素
血にまみれた女性が何者かに追われる描写から幕が上がります。序盤は思わせぶりな描写が多く、明るい表現は皆無で淡々と状況が進んでいきます。感情の落差により恐怖に陥れるのではなく、最初から最後まで通して不気味な恐怖を煽るような作風ですね。
最大の見どころ、というより力を入れているだろうポイントは「青鬼」のCG描写。「青鬼」の恐怖をメインに据えながら、原作とはまた違った角度で恐怖を煽ってきます。
ジリジリと死角から忍び寄り一人ひとり減っていくキャラクターたち。狭い建物を縫うような激しい一人称のカメラワークが多いですが、迫りくる「青鬼」を振り返るといった場面は少なく、「青鬼」の追跡による恐怖は思いのほか控えめです。
ホラー要素は「青鬼」本体の容貌や、凄惨な殺害現場などのビジュアル面によるものが主体となります。
ただ1時間という短い尺のためか、原作にあった謎解き要素の大半は割愛されているのは残念。登場人物の「シュン」が「ぼくの作ったゲームと同じだ」といって推理の過程を飛ばしながら、次々に状況を進めていきます。そのためミステリ作品のような楽しみ方はできず、原作ファンにとっては違和感の大きい内容となってしまいました。
あと少し安っぽいですが、グロ描写があるので視聴には注意していただきたい。
総評★★「『地雷』ではなく『有刺鉄線』くらい」
舞台が「洋館」や「屋敷」と紹介されてましたが、どう見てもビルでしたね。映像で見る限りはかなり窮屈な階段や、細かく部屋が配置されている入り組んだ構造になっています。どうでもでもいいと言えばどうでもいいのですが。
評価を見てみると、酷評が多く見受けられる作品です。確かにカメラワークの単調さや音響の違和感、全体的な演技のつたなさなど、いくらでも批判できる部分はあります。演出も違和感が常につきまとい常に視聴者は疑問符をもちながらストーリーが進んでいきます。要は作品としての下地の部分が整っていない印象が強いですね。
それでも一部際立った演技力をみせる役者さんや、力の入ったCG技術。雑ですが複線を介した最終的なストーリーのまとまりも見えます。もちろん酷評をすべて覆せるほどのものではありませんし、下地が良くないだけにかえって鼻につくかもしれません。それでも一時間という尺の中で、映像作品の体を十分に保った作りになっています。
「おもしろい」か「つまらない」かを聞かれたら「つまらない」。
しかしネタとして扱えるほど突き抜けてつまらないと言えるクオリティではなく、中途半端なクオリティになったのは非常に惜しいところ。この作品を見て最低の駄作と断言できるのは映画に慣れていない原作「青鬼」ファンの方がほとんどではないでしょうか。
「地雷」と切り捨てるほどではなく、「有刺鉄線」くらいがちょうどいいと思います。
ある程度原作を知っている私の最終的な評価としては★2。熱心なファンならもっと下がるかもしれません。いわゆる「B級映画」と呼ばれる作品の中でも、平凡に落ち着くくらいのクオリティでした。
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