小説『グラスホッパー』|読書慣れしていない方にオススメの殺し屋物語

オススメ紹介

今回は伊坂幸太郎先生の小説『グラスホッパー』を紹介。
あらすじ、感想、どんな方にオススメなのかをネタバレなし(あらすじを触る程度)でまとめていきます。

オススメ度★★★★
設定    :★★★★
キャラクター:★★★★★
ストーリー :★★★★

こんなキーワードが気になる方にオススメ
・殺し屋
・非合法組織
・現代日本が舞台

『グラスホッパー』の基本データ

タイトル:『グラスホッパー』
作者:伊坂幸太郎
出版社:角川書店
発行年:2004年

あらすじ「三人の人物の視点から紡がれていく殺し屋物語」

殺された妻の復讐のために非合法組織に潜入した元教師の「鈴木」。
ナイフを使った近接の殺しを得意とする殺し屋「蝉」。
対峙したものに自ら死を選ばせる、自殺を専門とする巨体の殺し屋「鯨」。
三人の思惑が交錯し紡がれていく殺し屋小説。

感想・評価「尖った内容と思いきや、シンプルに分かり易い世界観」

設定 ★★★★

ストーリーが視点が切り替わって語られるため分かり辛いと思いきや、設定は非常にシンプル。
現代日本が舞台になっており、「殺し屋」という異質な存在が日常に溶け込んでいる姿が目に浮かびやすい。
キャラクターの性格や背景も単純ながら魅力的。
善悪で語らず個々の価値観がしっかりと作り込まれています。

キャラクター ★★★★★

「鈴木」、「蝉」、そして「鯨」。
この特徴的な三人を軸として物語が語られますが、それぞれの性格や背景が非常に個性的。
セリフ回しも独特なものが多く、個人的には「蝉」にまつわるエピソードで出てきた数々のセリフがカッコ良かった。
その他のキャラクターもバラエティが豊かで、キャラが多くて分かり辛いといったこともありません。

ストーリー ★★★★

「殺し屋」といっても手口が全く異なり、性格も全然違います。
短いスパンでメイン三人の視点が切り替わりつつ、それぞれの価値観で行動が決められていくため全く飽きがきませんでした。
三人の目的や嗜好がハッキリと明示され、その上で行く先々でイベントが起きるのでストーリー展開が無理なく飲み込める内容になっています。

こんな方にオススメ「万人受け」「文庫一冊をとりあえず読みたいという方」

殺し屋という非日常的な素材を扱いながら、老若男女問わず薦められる内容です。
際立って過激な表現があることもなく、一般人寄りな価値観をもつキャラクターもいるため違和感なくスルスルと読み進められます。章が細かく分けられており、読書慣れしていない方でも調整しやすいため挫折することなく読みやすい構成になっています。

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