映画『赤ずきん』
今回は映画『赤ずきん』を紹介。
あらすじ、個人的な見どころ、評価をまとめました。
(核心部分を触らない程度のネタバレを含みます)
映画『赤ずきん』の基本データ
タイトル:『赤ずきん』
監督:キャサリン・ハードウィック
脚本:デヴィッド・レスリー・ジョンソン
出演:アマンダ・サイフリッド
ゲイリー・オールドマン
ビリー・バーク
制作国:アメリカ
カナダ
上映時間:100分
公開:2011年
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おすすめ視聴者・読者層キーワード
- 童話
- サスペンスホラー
- ダーク
あらすじ「平和に暮らしていた村に、オオカミによる犠牲者が」
「ヴァレリー」は幼い頃から一緒にいた「ピーター」と恋仲になり、小さな村で暮らしていた。しかし母親の勝手な取り決めにより、面識のない鍛冶屋の「ヘンリー」と婚約させられてしまう。
悲嘆に暮れるヴァレリーだったが、彼女に追い打ちをかけるように姉「ルーシー」がオオカミに襲われたと聞かされ……。
ココが見どころ
序盤の雰囲気づくり
姉をオオカミに殺され沈むヴァレリー。仲間を殺された怒りから狼を狩りに行く村人たち。合流したソロモン神父は、「オオカミは村人にまぎれて暮らしている」と告げる。
冒頭では強い仲間意識をみせた村人たちでしたが、村の中にオオカミが潜んでいると知ると徐々に皆疑心暗鬼に陥っていきます。
継ぎ目に違和感の残る設定がはさまれたりしますが、序盤からジワジワと雰囲気づくりができていて、サスペンスホラーとしての不安と期待を煽られました。
細かく散りばめられた伏線は主人公であるヴァレリーの生い立ちに関する疑念やドロドロの人間関係を生んだり、ミステリーのような推理を視聴者に促します。オオカミの様相も現実離れしているのでダークファンタジーの要素も含んでいます。
オオカミの正体とは。終盤になにが待っているのだろうか。赤ずきんにどんな秘密が……。
総評★★★「ターゲット層がわからない」
いろいろなジャンルの楽しみ方が混ぜられている分、主軸となるジャンルがわかりません。
ドロドロの人間関係を描くドラマは中途半端。ダークファンタジーとしての迫力のある見せ場はなく、サスペンスホラーとしての確かな恐怖もない。
ストーリーの主軸として恋愛や信頼といったものも重要ですが、イマイチ描写不足で分かりづらく、ヴァレリーが心をフラフラさせる姿は主人公としての魅力を落としていきます。
本来描きたかった皆が疑心暗鬼になる「サスペンスホラー」をこのフラフラした姿で表しているのかもしれませんが、最後まで観てもその姿に見合うだけのカタルシスを得ることはできません。
サスペンスホラーと期待して見ると恐怖感がほんのりし過ぎて肩透かしを喰らい、それ以外の人についてはオススメできる層が浮かびませんでした。ライトな若年層向け?
雰囲気づくりや人間模様はよくできているので、終盤にもう少し大きな仕掛けがあればもっと化けたかもしれません。
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