「恋に酔う」「決して離れない」。女性の気品を象徴する花「フジ」

花言葉は「恋に酔う」「優しさ」「決して離れない」。

今回の花は『藤(フジ)』です。

気品のある優しい紫色が特徴的な花ですね。

基本データ

藤の花

学名

Wisteria floribunda

和名

英名

Wisteria

科名

マメ科

属名

フジ属

開花時期

4~5月

花言葉

「恋に酔う」「優しさ」「決して離れない」など

花色

紫、白、ピンクなど

女性らしさの象徴

和歌を詠む女性

その上品な姿と強い香りで、古くから女性らしさの象徴として語られてきました。

清少納言が書いた『枕草子』の文中にも登場することから、古くから親しまれている花だと分かりますね。

以下、『枕草子』原文を引用

「藤の花はしなひ長く、色濃く咲きたる、いとめでたし。」

「藤」のつく苗字と「藤原氏」

日本人の苗字として多く使用されています。

  • 「伊藤」
  • 「加藤」
  • 「佐藤」
  • 「斎藤」
  • 「藤井」

などですね。皆さんも学生時代のクラスメイトに、一人はいるのではないでしょうか。

この苗字に「藤」が多い理由は、日本史で必ず語られる名門氏族「藤原氏」の影響です。

藤原氏の一族は全国各地に広がった後、他の藤原氏との区別するために、それぞれが治めている地名と合わせて名乗っていました。例えば「伊藤さん」だったら「伊勢の国」と「藤原」を足した名前です。

明治時代になるとそれぞれが苗字を持つことを義務付けられるようになります。そこで「藤原」の由緒ある名前にあやかって、無関係な人たちも名乗るようになりました。それは多くなりますね。

ちなみに「藤原」の「原」ではなく「藤」を採用したものが多いのは、「藤」のもつ高貴なイメージが好まれたからと思われます。また「不死」という読み方に「家の繁栄を願うもの」として、ゲンを担いでいるのかもしれません。

「藤」がもつ縁起の表裏の意味

藤には「恋に酔う」や「決して離れない」といった花言葉があります。

一途な女性らしさのある前向きな意味にも取れますが、後ろ向きな重い意味にも捉えられていました。

藤の木に巻き付く藤の花の姿が、「女性の執着心の強さ」のイメージを強くもたせたのかも知れません。

また藤は寿命が長いといった理由から「縁起の良い木」として語られましたが、一方では縁起の悪い花としても扱われていました。

「フジ」という響きが「不治の病」を連想させたり、ツルが下向きに伸びる姿から「家運が落ちる」と言われたりしました。

古くから親しまれている花だからこそ、このようなゲン担ぎを重視する考え方が多く存在しています。

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