今回の花はクロユリ。
花言葉は「呪い」などです。
基本データ
学名
Fritillaria camschatcensis
和名
黒百合
英名
Chocolate Lily
科名
ユリ科
属名
バイモ属
開花時期
4~5月
花言葉
「呪い」、「恋」など
花色
黒
花名の由来
『クロユリ』の名前の由来は「花色が黒い」と「ユリと似た容姿をしていること」からきています。単純で分かりやすいですね。
『ユリ』と『クロユリ』は違う種類の花で、
- 『ユリ』は「ユリ属」だけど、『クロユリ』は「バイモ属」
- 似た容姿をしているが、少しだけ花の形が違う
といった違いがあります。明確に別の花なんですね。
第一印象もかなり異なり、『ユリ』は華やかな印象がありますが、『クロユリ』は「呪い」の花言葉のせいか反対の印象を持ちやすいかと思われます。
花自体には何の罪もないので、ちゃんと理解して愛でたいですね。
ユリについての記事も執筆していますので、参考にご覧ください。
花言葉「呪い」の由来は「黒百合伝説」
クロユリの「呪い」という花言葉は、戦国時代の武将『佐々成政』とその側室『早百合』を核とした「黒百合伝説」が元になっています。
- 『佐々成政』は『豊臣秀吉』の討伐を目論んでいた。
- 『佐々成政』が留守にしている城中に、『早百合』のある噂が流れる。
- 「早百合は密通している。お腹にいる子どもは成政の子どもではない」
- 城に戻った『佐々成政』がこの噂を耳にし激怒。『早百合』を殺してしまう。
- 死の間際、早百合が「立山に黒百合が咲いたら、佐々家は滅びるだろう」という遺言を残す。
- 『早百合』だけではなく、その一族もまとめて首を斬って獄門に磔にされる
この噂は『早百合』への嫉妬心から、他の側室たちが流したものと云われています。
後に『佐々成政』は失脚し、佐々家は滅びの道を辿ることになります。
きっかけは秀吉の正妻である『北政所』に黒百合を贈ったことでした。
噂に踊らされた『佐々成政』が悪いかどうかは分かりませんが、無実の罪を着せられた『早百合』は間違いなく不幸ですね。
花言葉の「恋」はアイヌの言い伝えより
「黒百合伝説」とは別にアイヌの伝承でも、クロユリの花が語られています。
「クロユリに想いを込めて好きな相手のそばに置き、相手がその花を手に取ると、いつの日か2人は結ばれる」
というものです。
こちらは純粋な恋の言い伝えで、「呪い」の花言葉とは違った顔を見せてくれますね。
黒い見た目と「呪い」の花言葉が注目されがちですが、こちらの純粋な意味も大切にしていきたい花です。
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