映画『バイオハザードV リトリビューション』あらすじ感想評価

バイオハザード5サムネ オススメ紹介
バイオハザード5サムネ

映画『 バイオハザードV リトリビューション 』

今回は映画『バイオハザードV リトリビューション』を紹介。
あらすじ、個人的な見どころ、評価をまとめました。
(核心部分を触らない程度のネタバレを含みます)

映画『バイオハザードV リトリビューション』 の基本データ

タイトル:『バイオハザードV リトリビューション』
監督・脚本:ポール・W・S・アンダーソン
公開:2012年

出演:ミラ・ジョボビッチ
   ミシェル・ロドリゲス
   ショーン・ロバーツ
   ヨハン・アーブ

あらすじ「アリスの窮地に手を差し伸べたのは、かつての敵」

アンブレラ社の急襲のより再び捉えられたアリス
脱出を試みるがアンブレラ社の目論見により、施設内で東京やニューヨークなど壊滅したはずの都市を転々とする。
襲い来るアンデットの猛攻を必死に躱し続けるアリスに手を差し伸べたのは、かつて敵対していたあの人物だった……。

おすすめ視聴者・読者層キーワード

  • モンスター
  • ゾンビ
  • アクション
  • ホラー

キーワードで関連オススメタイトル

映画「バイオハザード」

シリーズ一作目。
長いシリーズだが、単純なホラー要素としてはこれが一番強いかもしれない。

アニメ「甲鉄城のカバネリ」

不死の生物「カバネ」が舞台を席巻する「ゾンビ」ジャンルのアニメ。
カバネと人間の間で揺れる主人公「生駒(いこま)」が奔走するダークファンタジー。
良質な世界観とキャラクターの魅力があふれる、個人的にイチオシのアニメです。

ココが見どころ

「ホラーアクション」としてのバランスは良好

今までのシリーズでは「ホラー」「アクション」のバランスに大分悩まされている様子だったが、今回はバランスが取れている

まず「ホラー部分」についてだが、
序盤ではシリーズ1作目の恐怖を思い出させる仕掛けや、ジワジワと不安が染み込んでいくような至極平和な風景など、メインテーマが「トラウマ」かという位の精神攻撃がアリスを襲う。
この辺りの仕掛けはシリーズ初頭の「得体の知れないウイルスの恐怖を表した『薄気味悪さ』」
を想起させる。

中盤から終盤にかけては「グロテスクなモンスターを使った『視覚的な気持ち悪さ』」に舵を切っている。
特殊メイク・映像加工の技術の進化がスゴイのか、目の前に現れたなら間違いなく逃げ出すような作り込みで、今までの「バイオハザード」にはないクオリティに仕上がった。

次にアクション部分
これは前シリーズでも同じことを書いたが順当に進化している。
武術の動きが取り入れられたアクションは美しく豪快。
今まではあまりなかった「カーアクション」もインパクトが強く、仲間との連携ではジョークのかけ合いが活発で今までよりも賑やかな雰囲気を感じさせる。

この空気の「にぎやかさ」はシリーズの中では珍しく、「生理的に受け入れがたいモンスター」が登場しても視聴者の関心が逃げないのはこの要素が上手く作用しているからだろう。

暗くなりがちで苦手な方も多い「ホラー」要素を強くしながら、それでも視聴者を逃さない「アクション」の強さを魅せたところは今までにない強みであり、非常にバランスの取れた絡め方だった。

シリーズ初見者に優しくなったストーリー

シリーズとしては珍しく前作とのストーリーのつながりがある程度描写されており、確かな技術力で工夫の凝らされたOPで幕が上がる。
5作目ということを考慮したのかシリーズのイントロダクションが加えられており、『バイオハザード』シリーズ初見の視聴者にも優しい作りになった

序盤は物足りなく感じるところもあり「今作は微妙かな」と感じていたが、そういった部分も含めて伏線として取り入れ、しっかりと最後まで見せてくれた。
複線もシンプルながら序盤から少しずつ張り巡らされており、途中で「してやられた感」のある演出に少しニヤリとしてしまった。
エンディング部分での「ウェスカー」とのやりとりは絵面的に少しおもしろく、妙なユーモアを感じさせる。

ただ企業としての「アンブレラ社」のあり方が正直リアリティに欠ける
世界を巻き込むウイルスの存在はまぁいい。
組織の構造、研究成果である商品の取り扱いやその先の展望、文明の衰退に反した超技術などツッコミを入れればキリがない。
現代が舞台でストーリーもシリアス路線でありながらこのファンタジーのような超設定は、視聴者を夢から覚ましてしまう恐れがある。
悪役としての「アンブレラ社」は申し分ないのだが……。

総評★★★★「『ホラーアクション』としては進化したが、ストーリーは厳しい」

画面のにぎやかさが増し、大衆向けのアクションとしては順当に進化した本作。
「ホラーアクション」というジャンルを工夫し、迫力のある映像としてクオリティアップを達成しています。

しかしストーリーとして見るとシリーズを追うごとに矛盾点は多くなっており、「『バイオハザード』とは何か」という疑問が浮かんでくる。
大衆向けに寄せていった結果なのか、映像に迫力を出すためのファンタジーのような超展開はシリーズを追う視聴者にとっては辛いかもしれない。
クオリティアップしたと書いた「ホラーアクション」部分についても、視聴者の期待した方向性とは異なるかもしれない。

「画面の進化はしているものの、ストーリーの説得力には欠ける」というのが本音。

かなり評価に迷い★3にしかけましたが、アクションなどの地力の高さから★4としました。

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