小説『傍聞き』|傑作ミステリ短編4つを収録した鉄板オススメ小説

オススメ紹介

今回は「長岡弘樹」先生の小説『傍聞き』を紹介。
あらすじ、感想、どんな方にオススメなのかをまとめていきます(核心部分を触らない程度のネタバレは含みます)。

オススメ度★★★★★
 キャラクター ★★★★
 ストーリー  ★★★★★
 設定     ★★★★★

こんなキーワードが気になる方にオススメ
・短編小説
・ミステリ
・推理
・人間ドラマ

『傍聞き』の基本データ

タイトル:『傍聞き』
作者:長岡弘樹
出版社:双葉社
発行年:2008年

あらすじ「四つの傑作短編ミステリ」

「救急隊員」「刑事」「消防署員」「受刑者の更生施設の施設長」。
それぞれのキャラクターならではの立場を利用したミステリ短編を収録。
読者を問答無用で納得させる短編ミステリ4編。

感想・評価

キャラクター★★★★

「救急隊員」
「刑事」
「消防署員」
「受刑者の更生施設の施設長」

短編でも特徴がハッキリして分かり易い。

それぞれの立場を明確にしつつ、内心の葛藤や心境の変化を細やかに表現してくれている。

無駄に屈折していない、矛盾のない性格のキャラクターが多いので安心して物語に没入させてくれる。

ストーリー★★★★★

1つのエピソードの容量が文庫本サイズだと50ページほど。

1エピソード付き1時間もかからない。

読むスピードが速い人だと、1日の通勤時間で読了するだろう。

それだけ短いスパンにトリックや論理を張り巡らせ、必ず読者を納得させるの結末を用意している。

どれも完成度が高く、そこに人間ドラマさえも感じさせるのが凄すぎる。

設定

現代日本を舞台に、現実に即した矛盾のない設定。

キャラクターの職業や内部事情なども「そういうものなのか」と違和感なく理解できる。
ミステリ小説を短編でここまで読者を納得させ続ける。

総評★★★★★「エピソードの容量に反して大きな満足感が得られる作品」

読みやすさと内容、両面で文句なく★5で評価した。

本の薄さに反して内容が濃く、ミステリらしい終盤の爽快感も相まって、一冊で幸せな満足感を得られる。

ミステリの好き嫌い問わず、老若男女問わず、薦めていきたい。

短編ということもあり、読書慣れしていない方にも気軽にオススメ。

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